iPad業務活用(3):iPadを「ただのデカイiPhone」で終わらせていいのか?

20 12月

今日、うちの常務がセミナーの講師だったので、ちょこっと見に行ってきました。
そこで、ジョブスが生きていた頃に作られたiPadの導入事例ビデオを久しぶりに見ました。
ハイアットとどこかの医療機関の導入事例でした。
近未来を予言するようなこのビデオを初めて見たとき「世の中のほとんどのPCはタブレット端末に置き換わるぞ」とすごくワクワクしたのを思い出しました。
あれから1年以上が経過して現実の世の中はどうなったのか?どの程度現実になったのか?
気のせいかもしれませんが、相変わらず聞こえてくるのは電子カタログや電子マニュアル、ファイル共有どまりの利用法ばかりな気がしていますし、それどころか私の回りにも「iPadをどう利用していいものか持て余している人」がポツポツ出現しているような気がしています。

「おかしい、僕の見た未来はこんなんじゃ無かった。僕はあの時、確かにジョブズからクリアなメッセージを受け取ったはずだ。頭をトンカチで殴られたような衝撃を受けたからこそ志願して関連会社に異動までさせてもらったのに・・・、な、なんか違う」

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話は1週間前にさかのぼります。
ウチの会社がiPadを扱えるようになった事もあり、先日、家内と母親にそれぞれiPadをプレゼントしました。
母親は83歳。でも、iPadを触り始めたら止まりませんでした。カメラやらゲームやら、もちろんスムーズにはいきませんが、つっかえつっかえ、取りつかれたようにずーっとやっているのです。
ところが、家内のほうはというと、意外にも触ってから数分間で一旦iPadを置き、そして考え込みました「はて、何に使えばいいんだろう」と。
1年以上iPhoneを使っている家内にしてみれば、初期状態でアプリが入っていないiPadは「ただのデカイiPhone」でしか無かったのです。
毎日、仕事でiPadを使っていて、いつも便利だと家内に言ってきた手前、これには正直かなり焦りました。
焦った僕は「電子書籍はこうで、ビデオはこうで」といかに便利かを説明しようとしました。
で、初めて気がついたのです。
「自分は仕事で使っているので気づかなかったけど、iPadは仕事で使わないなら意味が無いんじゃないか。日常生活や個人レベルではiPhoneで十分なのかもしれない。仕事で、しかも組織全体で使ってはじめて本当に意味があるんだ」と。
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確かに単体でも使いようはあるし、iPhoneと両方持っていたりMacを持っていたら、それこそiCloud経由ですごく便利なのは私も実感してます。

でもですね。僕の見た近未来の映像は(ジョブズから受け取ったメッセージは・・・まぁ勝手に言ってるだけですが)そんなもんじゃ無いんです。
iPadだけで商談したりコンサルしたり顧客対応したり会社中の人間がリアルタイムに情報共有したりと・・・エンジニアの開発は別としても、PCなんていらない世界が来るはずなんです。

「誰が悪いんだ?遅い回線しか用意できないキャリアが悪いのか?訴訟ばかりしているメーカーが悪いのか?」

そうじゃ無いと私は思います。せっかくの千載一遇のチャンスに顧客に明確なソリューションを示さない我々エンジニアの責任だと、私は思います。
回線が遅いなら、その遅い回線でもサクサク動くものを作ればいいんです。スピードが2倍の回線を待っていても、その頃にはトラフィッックが4倍になっているに決まっているんです。HTML5の標準化を待っていても年を取るだけです。javascriptエンジンが早いブラウザを待っていても、やりたい事も変わるんです。Androidのセキュリティ向上を待っている間に・・・、全ての条件が揃うまでに2年くらいスグにたってしまいます。ブラウザに頼らず、回線に頼らず、ライブラリに頼らず、今ある技術を組み合わせるだけで十分実現できるはずだ・・・・と思ったのが1年前です。

ある意味「思い」だけで、めちゃめちゃ「人」「もの」「カネ」を投入し(投入させていただき)やっとリリースまでこぎつけました。
(詳細は前回をご参照ください)

好きにやらせていただいた経営陣の皆様には、もう感謝の言葉しかありません。
我々でもここまで出来たのですから、優秀なエンジニアの皆さんとなら、さらにいろんな事ができるはずです。
ぜひ、コラボしましょう!ご連絡お待ちしております。
いや、コラボじゃ無くてもいいです。それぞれがやりましょう!イメージはクリアなはずです。

担当:三池(@mmiike3)

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