iPad業務活用(1):リモートデスクトップやVPNではダメな理由

16 12月

「iPadを本格的に業務で利用するプロジェクト」がスタートしたのが今年の3月です。
今から思えば、あまりにも無知で、とても恥ずかしいことばかりですが、
今後、ポストPCとしてiPad等のタブレット端末の本格的な業務利用を検討される企業もあると思いますので、
少しでも参考にしていただくか、「バカなやつらだ」と笑っていただくのもいいのかなと
我々の体験を少しレポートさせていただきます。

SQLServerとASPの組み合わせで社内Webシステムを構築しています。
はじめは、VPNで接続すれば、IE用の画面だけSafari対応する程度で十分だろう、
また、OfficeはリモートデスクトップでiPadからWindowsに接続すればいいかなと
かなり安易に考えていました。
そこで、プロジェクトでは機種の選定、回線の選定やルーターなどネットワークの見直し
からスタートしたような状況でした。
テストとしてリモートデスクトップで接続したWindowsの画面がiPadに表示された時、
「これはすごい」「これならユーザもすぐに使いこなせるし移行も楽だ」と
プロジェクトが半分終わったような楽観的な空気がプロジェクト内に流れたような状況でした。

ところが、検証を進めていくうちに、いくつもの課題が発見され、結果として1から見直す
ことになったのです。

例えば・・・

<リモートデスクトップではダメな理由ー①>
iPadにはマウスが無いので、マウス操作を前提としたWindowsのUIは操作がしづらく、特にOutlookなどは誤送信を引き起こす原因となる。

<iPadをVPN接続でWindowsネットワークに接続したのではダメな理由ー①②>
3Gでは重い、また重い端末がぶら下がることにより、社内システム全体に影響が出る。
WindowsのウイルスがiPad経由で侵入した時に、駆除できないリスクが残る。

結果を先に言いますと、iPadアプリを自社開発し、Webサーバーを介さずSQLServerに接続するための
WebSocketサーバーを開発しました。
とてもパフォーマンスが良かったので、メールサーバーやサイボウズ、Faxサーバー、
ActiveDirectoryサーバーなども接続し、結果として、「たいていの業務はiPadでできる」状況を作る事に
成功したのは、怪我の功名みたいなものかもしれません。

以下に図を掲載します。

サーバー構成図

3Gでもサクサク動き、「アプリにして良かったな」と、結果オーライ的な形になりました。
でも、プロジェクトは大幅なビハインドスケジュールとなってしまいました。

次回は、さらに詳しく具体的に「どんな問題が発生したのか」「どのように解決したのか」について
レポートさせていただきます。

無駄な苦労に終わらせないためにも、ポストPC時代に向けて、
この経験を少しでもいかしていただける企業があればと
積極的にこのブログで報告していきたいと考えています。

どうぞよろしくお願いします。

担当:三池みのり

※2011年12月15日21時に公開後、加筆・修正をしています。

2件のフィードバック to “iPad業務活用(1):リモートデスクトップやVPNではダメな理由”

  1. 東海林祥一 3月 13, 2012 @ 1:45 pm #

    記事面白かったです。
    たまたま、iPad リモートデスクトップの検索で来ましたが、ほかの記事も読んでみます。

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